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――『WHITE ALBUM 2』レビュー

Leafから発売された『WHITE ALBUM 2』-introductory chapter-、-closing chapter-の感想です。
WHITE ALBUM2 -closing chapter-|LeafWHITE ALBUM2 -closing chapter-|Leaf

2011年、比較的穏やかだったエロゲ業界界隈の話題を最後の最後で全て掻っ攫っていった今作。
そんなにおもしろいならやってみようかな、と思っていたところで友達やTwitterやその他各所から聞こえる絶賛の声。
天の邪鬼な僕はあまりにも勧められすぎて一時期は人の感想を目にするのも嫌になっていたのです。
そんな僕が今どうやってこの至高の冬の物語に対する感想を述べようかと頭を悩ませているのですから不思議なものです。


というわけでプレイ前から踊らされていた僕ですが、プレイ中もライターである丸戸史明さんの描く人間模様に踊らされ続けていました。
物語の主題は「三角関係」、とはいってもよくエロゲにある過剰なやきもち描写や複数プレイ等とは方向性が全く違い、とても一言で言い表せるものではないのですが、それでも雰囲気だけを伝えるとするならば刺したり殺したりしない昼ドラ、男女の関係に於いて演劇的に誇張された愛憎劇です。
主人公北原春希の葛藤や誠実さや嘘や選択、彼が行動するたびにプレイヤーの心情も様々な方向に転がさ、踊らされます。

例えばこの物語の根幹にして導入部分であるintroductory chapter。
プレイヤーとして選択肢は無い物語なのですが、きっとプレイヤーは選択するでしょう、彼女達のどちらかを。
そしてきっと一度は心が揺れ動くでしょう、選ばなかった、選ばれなかったもう一方へと。

彼女達との別離から3年後のclosing chapter。
綺麗で汚くて、強くて弱くて弱い彼女達の中からプレイヤーは一人を選びます。
そして選択した後に必ず訪れる彼女との別れにきっと心が抉られるでしょう。

主人公北原春希の選択や言動に納得がいかない人も必ず出てくる物語。
ここまで多くの人に愛される背景には春希を攻めきれないほどにプレイヤーの心を揺さぶる圧巻のシナリオ構成と演出があります。
どのルートでも必ず登場人物たちは選択を迫られ、その結果に関わらずプレイヤーも徐々に選んでいくのだと思います、彼女達のうちどちらかを。


closing chapterで攻略できる3人の登場人物達もどうせサブヒロイン、と舐めてかかるといけません。
過去や未来や性質に性格、どこかで春希と繋がっています。
またどのルートでもあの人との別離は見逃せません。


杉浦小春ルートは春希にとっては3年前の自分との邂逅。
昔の自分を見ているようで、昔の自分より危なっかしくて。
純粋でまっすぐで正直すぎるが故の三角関係。

読むのが辛かったという点では今作一、二を争います。
小春の挫折や葛藤もさることながら、彼女達同士の喫茶店での対話とその結果に心が痛みました。
唯一笑った点が「小春」でして。
小春希みたいだから小春って安直すぎやしませんか。


和泉千晶ルートは本当に様々な意味で演劇的。
流れるような伏線回収の二部構成。

どこからが彼女で、どこまでが彼女だったのか。
いつから演じていて、いつまで演じることができていたのか。
読み込む程に味がある台本です


風岡麻理ルートはありふれた物語。
普遍的なものをおもしろさに昇華する丸戸史明の妙技。

愚直なまでに誠実であろうとする春希。
受け入れ難い不誠実を受け入れてしまいたい麻理の二律背反。
四捨五入したら○0歳の麻理さんですが今作で最も可愛いと思う人は、と聞かれたらこの人です。


そして三角関係。
北原春希、小木曽雪菜、冬馬かずさ。
誰に最も感情移入できるかでこの物語への感想は随分変わってしまうでしょう。

北原春希を最高の主人公だと感じ彼女達の間で揺れる。
北原春希を最低の主人公だと感じ彼女達の間で揺れる。
小木曽雪菜の5年間の恋こそが正しい。
小木曽雪菜は横入りした。
冬馬かずさの5年前からの恋こそが正しい。
冬馬かずさは裏切った。

全てが僕のプレイ中の感想で、全てが『WHITE ALBUM 2』なんですよね。
それでもきっと、揺らぎながら、踊らされながら誰もが三角のうちどれか1つの点を選ぶと思うのです。
揺らぎ続けた上で、僕は。


僕は冬馬かずさが好きです。

小木曽雪菜の生涯の親友としての冬馬かずさが好きなんです。

introductory chapterから春希と共に冬馬かずさを想い続けて。
終局を見た今でも冬馬かずさを想っているけど。


それでもWHITE ALBUM 2は小木曽雪菜のための物語だと僕は思います。

introductory chapterで春希の間違いを認めない雪菜。
歌を忘れた偶像で春希を想い続ける雪菜。
杉浦小春ルートで彼女を後押しして春希のアドレスを消す雪菜。
和泉千晶ルートで春希をようやく憎み、でも春希からのプレゼントを返さない雪菜。
風岡麻理ルートで春希を「振ってあげる」雪菜。

耐え続けて迎えた丸戸史明節全開の雪菜-coda-を見て遂に心が小木曽雪菜の方へと折れてしまいました。
丸戸史明の掌の上で踊り続けた春希と、雪菜と、僕に彼が与えたあのルートに心をへし折られ、屈服してしまったのです。
closing chapterからcodaへと進む流れで僕は2○年間生きてきた中でも片手の指で余裕で数えられるほどの動揺と衝撃を味わった。
雪菜が幸せになった姿を見ることができて、本当に、本当に、良かった。


だからこそ僕が到底受け入れることができない冬馬かずさルート。
踊るプレイヤーへの丸戸史明からの更なる挑戦状。

選ぶというのはどういうことか。
あるもの以外の全てを捨てて一つを選択するというのはどういうことか。

大団円の雪菜ルートと丸戸史明シナリオに挑む主人公北原春樹。
これもまた誰かにとってのWHITE ALBUM 2であることだけは否定できるわけがありません。



シナリオゲーと呼ばれるジャンルのエロゲに傾倒しなくなってしばらく経ちます。
昔このジャンルが好きで、読み漁って、そういった中で好きになったゲームは自分の中で神格化してしまっていて。
シナリオがすごいと言ったって○○を超えることなんてどうせない、と決めつけてしまっていたんです。

厚顔無恥も甚だしいですね。
褒めすぎだろ、と鼻で笑っていたゲームにここまで感動させられるのですから。

あの時プレイして、未だにBGMを口ずさめるあのゲームのような。
そんな何年先までも自分の中に残り続ける作品にまた、出会えました。
僕が「届かない恋」の旋律を忘れることはないでしょう。
[ 2012/02/17 00:11 ] エロゲレビュー | TB(0) | CM(0)
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